東洋医学の生理観

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東洋医学

東洋医学の生理観

東洋医学における人体の構成 

東洋医学では、人体を構成するものを気の類・形の類・経脈の類の3つにわけることができます。

気の類 

生体の活力として働くもので、以下のものがあります。

  • 精・・・気や形の類の源となり、生体の活力として働くもので、先天の精・後天の精がある 
  • 神・・・生命活動を統率するもので、魂・神・意・魄・志などがある 
  • 気・・・身体の原動力として働くもので、原気・宗気・営気・衛気などがある 
  • 血・津液・・・身体を流れる液体 

形の類 

身体の構造をなすもののことで、人体の臓腑などを指します。

臓腑 

  • 臓・・・肝 心 脾 肺 腎 心包 
  • 腑・・・胆 小腸 胃 大腸 膀胱 三焦 
  • 奇恒の腑・・・胆 脈 骨 髄 脳 女子胞 

東洋医学における臓腑

経絡の類 

身体を巡る気血の循環経路のことで、経脈・絡脈・腧穴があります。

  • 経脈・・・正経十二経 奇経八脈
  • 絡脈・・・経脈がから分祀した細い気血の循環路
  • 腧穴・・・いわゆる経穴(ツボ)のこと

東洋医学/経絡と経穴

気・血・津液・精・神の生理

気・血・津液・精は人体を構成する最小単位の物質であり、身体の生理機能を維持しています。

 

東洋医学でいう、「神」とはいわゆる神様のことではなく、あらゆる生命活動のことを指しています。神気には、神・魂・魄・意・志の5つがあり、以下の通りです。

神の生理的作用

  • 神・・・心に舎り、神気の中で最高位とされ、意識的な活動を中心にすべての精神的な働きを指す 
  • 魂・・・肝に舎り、人間の本性を支える神気、理性や判断・評価を主り、魂が衰えると自信がなくなる 
  • 魄・・・肺に舎り、本能的な行為・習慣化した日常動作・注意の集中・感覚などを主る神気、魄が衰えると気魄がなくなり、注意力が散漫となる 
  • 意・・・脾に舎り、思考・推測・記憶・集中を主る 
  • 志・・・腎に舎り、目的をもつ・思いを持続する・記憶を維持する・経験を蓄積する 

神と生理的物質 

  • 脳は髄海(髄の集まったもの)といわれ、神の機能と密接な関係がある 
  • 血・津液による滋養・滋潤が必要 
  • 髄は精によって滋養されており、脳も精により滋養される 
  • 気は神の形成に不可欠な物質で、神は気を統率・制御する 

 

精は腎に蓄えられて、腎精ともいわれます。

先天の精(腎精)

  • 両親から受け継いだもの 
  • 腎に蓄えられ、成長・発育の源となり、原気に変化する 

後天の精

  • 飲食物(水穀の精微)から得られたもの 
  • 水穀の精ともいわれ、気・血に変化する 
  • 腎精を補うもの 

精の生理的作用 

  • 生殖機能を維持する 
  • 成長・発育を促進す 
  • 臓腑・器官を滋養する 
  • 気・血に転化(化生)する 
  • 抵抗力を強める 
  • 神の機能を維持する 

 

気は人体を構成し、生命活動の原動力となるとても細かな物質です。

気の生成と種類 

原気(元気)

  • 先天の精(腎精)から変化・生成 
  • 原気は臍下丹田に集まり、腎に蓄えられ、三焦の働きにより全身を巡る 

宗気

  • 天の気(清気)と水穀の精微が肺で交わって胸中に集まる気 
  • 宗気は心・肺の活動を支える気 
  • 肺に作用して発声・呼吸を推動する 
  • 心に作用して血の循環を促進する 

営気

  • 後天の精から得られた陰性の気(水穀の精気) 
  • 津液を血に変化させ、全身を栄養する 

衛気

  • 後天の精から得られた陽性の気(水穀の悍気) 
  • 外邪の侵入を防ぎ、皮膚や臓器を温め、発汗を調節して体温を一定に保つ 

 気の生理的作用 

  • 推動作用・・・人体の生命活動を促進させる働き 
  • 温煦作用・・・正常な体温の維持 
  • 防御作用・・・外邪の侵入を防ぎ、排除しようとする 
  • 固摂作用・・・体液を漏れ出さないようにする 
  • 気化作用・・・生理的物質の相互転化 

気の運動 

  • 気は強い活動性をもった精微な物質で、その運動には昇・降・出・入の4種があり、これを気機という 

臓腑と気 

  • 脾胃は宗気・衛気・営気のもととなる水穀の精微(気)を取り入れる 
  • 肺は気を主り、気の昇降出入を調節している。宗気のもととなる天の清気を取り入れる。また濁気を排泄し、衛気を体表に巡らせる 
  • 腎は原気のもととなる先天の精(気)を蔵す。また納気を主り、天の清気を臍下丹田の腎まで降ろす 
  • 三焦は気が昇降出入する通路となる 

 

欠は脈中を流れる液体で、全身を流れ、全身を栄養します。

血の生成 

血は脾・胃の運化(消化・吸収)によって取り込んだ水穀の精微(脾胃は気血生化の源)と肺が取り込んだ清気が脈中で合し、営気の作用によって生成される 

血の生理的作用 

  • 滋養作用・・・組織・器官を栄養する 
  • 滋潤作用・・・組織・器官に潤いを与える 
  • 神の機能を維持する・・・精神活動の基本的な物質 

精と血 

  • 精は血の構成成分 
  • 臓腑は血に滋養され、精の生成が促進される 
  • 精は血を生じ、血は精を生じる(精血同源) 

気と血 

  • 血は営気の作用により生成される(生血) 
  • 血は気の推動作用により運行する(行血) 
  • 気の固摂作用により血が脈外に漏れないようにする(摂血) 

臓腑と血 

  • 脾は水穀の精微を吸収し、血の生成に関与している。統血作用により脈外に漏れないようにする 
  • 心は脈を支配し、血を全身に送り出し、血の循環を行っている 
  • 肺は気を主ることにより、心が行う血の推動を助ける 
  • 肝は血を貯蔵し、血の配分を調節している 

津液 

津液とは、体内にある生理的な(正常な、病的なものは含まない)水分の総称です。 

津液の生成と分類 

  • 津・・・陽に属し、清で粘り気がない 
  • 液・・・陰に属し、濁で粘り気がある 

津液の生理的作用 

  • 組織・器官に潤いを与える(滋潤作用) 
  • 関節・筋肉などに潤いを与えることにより身体の動きを 
  • 円滑にする 
  • 体温の調節 
  • 臓腑に栄養を与える(濡養) 
  • 血の成分となる 
  • 気の気化作用により血に変化する 

気と津液 

  • 気の気化作用によって津液は生成される(生津) 
  • 気の推動作用によって津液の運行がなされる(行津) 
  • 気の固摂作用によって体内の津液の量を維持(摂津) 

 臓腑と津液 

  • 脾は水穀の精微から津液を分離し、肺に送る 
  • 肺は水道を通調し、津液を全身に散布する(宣発・粛降) 
  • 腎は水を主り、津液の代謝を調節する 

まとめ

人体を構成するもの・・・気の類・形の類・経脈の類

気の類・・・神・精・気・血・津液

気の類はそれぞれが深くかかわりあい、生命活動を維持している

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