東洋医学/経絡と経穴

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東洋医学

経絡と経穴 

経絡の意義と構成 

経絡とは、気血が全身を巡る通路のことをいいます。同じように全身を巡る血管・神経・リンパなどとは異なるものです。

体が病に罹ったり、不調が起こると経絡上に圧痛・硬結・陥下などの反応が現れます。この反応点に対して施術を行うことで、その経絡上にある離れた場所の症状を改善させることもできるのです。

経絡の機能 

  • 生理物質(血・津液・営気)を全身に巡らせ、陰陽を調和し、人体の生理的な活動を維持する 
  • 疾病の際に病邪が伝わったり病状を反映したりするところである 
  • 鍼灸などの刺激を伝え、臓腑の虚実の調整など病を治療するところである 

※得気 

酸(たるい)・脹(脹った)・重(重い)・麻(痺れた) 

経絡の構成

経絡は本流の経脈と本流から分かれた絡脈とがあります。経脈は主に正経十二経脈と奇経八脈とにわけることができます。

正経十二経脈と流注

体幹と手足の末端を結び、それぞれが臓腑に属し、臓腑に気血を巡らせています。

正経十二経脈と奇経八脈の督脈と任脈を合わせて十四経脈ともいいます。

帰結が循環する順は以下の通りです。

  1. 手の太陰肺経
    中焦に起こり、下って大腸を絡い、噴門部をめぐり、横隔膜を貫いて肺に属する
    肺から気管、喉頭をめぐって腋下に出て、上腕前外側、肘窩【尺沢】、前腕前外側、手関節前面横紋外端の橈骨動脈拍動部【太淵】、母指球外側を経て、母指外側端に終わる
    前腕下部【列欠】より分かれた支脈が、示指外側端に至り、手の陽明大腸経につながる
  2. 手の陽明大腸経
    手の太陰肺経の脈気を受けて示指外側端に起こり、示指外縁をめぐって、第1・第2中手骨間の手背側【合谷】に出て、長・短母指伸筋腱の間【陽渓】に入る
    前腕後外側(長橈側手根屈筋と短橈側手根屈筋の間)を上り、肘窩横紋外端【曲池】、上腕後外側、肩を上り、【大椎】に出る
    【大椎】から大鎖骨上窩を件、肺を絡い横隔膜を貫いて大腸に属する
    大鎖骨上窩で分かれた支脈は、頸部を上り、頬を貫き、下歯に入り、かえり出て口をはさみ、人中で左右交差し、鼻孔をはさんで、鼻翼外方で足の陽明胃経につながる
  3. 足の陽明胃経
    手の陽明大腸経の脈気を受けて鼻翼外方に起こり、鼻根部で足の太陽膀胱経と交わり、鼻の外側を下り、上歯に入り、かえり出て口をはさみ唇をめぐり、オトガイで交わる
    戻って、顔面動脈拍動部【大迎】、下顎角、耳前から髪際をめぐり、額中央に至る
    【大迎】から分かれた支脈は、総頚動脈拍動部【人迎】、気管をめぐり、大鎖骨上窩に入り、横隔膜を貫いて、胃に属し、脾を絡う
    本経は、大鎖骨上窩より、胸部では前正中線外方4寸を、腹部では前正中線外方2寸を下り、幽門部に起こり腹部を下る支脈と、鼠径部の大腿動脈拍動部【気衝】で合流し、大腿前外側、膝蓋骨、下腿前面を下って、足背から足の第2指外側端に終わる
    膝下3寸から分かれた支脈は、下腿前面を下り、足の第3指外側端に出る
    足背で分かれた支脈は、足の第1指内側端に至り、足の太陰脾経につながる
  4. 足の太陰脾経
    足の陽明胃経の脈気を受けて足の第1指内側端に起こり、表裏の境目に沿って内果の前を通り、脛骨の後に沿って下腿内側を上り、足の厥陰肝経と交わって前に出て、膝を経て大腿前内側を上る
    腹部では前正中線外方4寸を上りながら、任脈、胆経、肝経に交わった後、脾に属し、胃を絡う
    横隔膜を貫き、胸部では前正中線外方6寸を上り、外に曲がって側胸部中央【大包】に至る
    さらに、上に向かい【中府】を通り、食道をはさみ、舌根につらなり舌下に広がる
    上腹部より分かれた支脈は、横隔膜を貫き、心中で、手の少陰心経につながる

  5. 手の少陰心経
    足の太陰脾経の脈気を受けて心中に起こり、心系に属し、横隔膜を貫いて件、小腸を絡う
    心系より分かれた支脈は、上って咽喉をはさみ、目につながる
    本経は、心系から肺を経て、腋下【極泉】に出て、上腕前内側、肘窩横紋の内端、前腕前内側、手掌を経て小指外側端に至り、手の太陽小腸経につながる

  6. 手の太陽小腸経
    手の少陰心経の脈気を受けて小指内側端に起こり、手の内側、前腕後内側、尺骨神経溝【小海】、上腕後内側を上り、肩関節に出て、肩甲骨をめぐり、肩上から、大鎖骨上窩に入り、下って心を絡う
    咽喉、食道をめぐったのち、横隔膜を貫いて胃に至り、小腸に属する
    大鎖骨上窩で分かれた支脈は顎をめぐり、頬に上り、外眼角に至り、耳の中に入る
    頬から分かれた支脈は、鼻を通って内眼角に至り、足の太陽膀胱経につながる
  7. 足の太陽膀胱軽
    手の太陽小腸経の脈気を受けて内眼角に起こり、前頭部を上り、頭頂部【百会】で左右が交わる
    頭頂部【百会】で分かれる支脈は、耳の上に行き側頭部に広がる
    本経は頭頂部より入って脳につらなり、かえり出て分かれて項を下り、肩甲骨の内側をめぐって脊柱の両側、後正中線外方1寸5分を下り、腰部で脊柱起立筋を通り、腎を絡い、膀胱に属する

    本経は、腰から下って、臀部、大腿部後面を下って膝窩に入る
    後頚部で分かれたもう一本の支脈は、脊柱の両側、後正中線外方3寸を下り、臀部、大腿後外側を下り、膝窩中央【委中】で本経と合流する
    さらに下腿後面を下り、下腿後外側、外果後方を通って足の第5指外側端に至り、足の少陰腎経につながる
  8. 足の少陰腎経
    足の太陽膀胱経の脈気を受けて足の第5指の下に起こり、斜めに足底中央【湧泉】に向かい、舟状骨粗面の下に出て内果の後【太渓】をめぐり、分かれて踵に入る
    下腿後内側、膝窩内側、大腿後内側を上り、体幹では腹部の前正中線外方5分、胸部では前正中線外方2寸を上り、本経と合流する
    大腿後内側で分かれた本経は、脊柱を貫いて、腎に属し、膀胱を絡う
    さらに、腎より上って、肝、横隔膜を貫いて、肺に入り、気管をめぐって舌根をはさんで終わる
    胸部で分かれた支脈は心につらなり、胸中で手の厥陰心包経につながる
  9. 手の厥陰心包経
    足の少陰腎経の脈気を受けて胸中に起こり、心包に属し、横隔膜を貫いて三焦(上焦・中焦・下焦)を絡う
    その支脈は、胸をめぐって腋窩に至る
    上腕前面、肘窩、前腕前面(長掌筋腱と撓側手根屈筋腱との間)、手掌を通り、中指先端中央【中衝】に終わる
    手掌の中央で分かれた支脈は、薬指内側端に至り、手の少陽三焦経につながる
  10. 手の少陽三焦経
    手の厥陰心包経の脈気を受けて薬指内側端に起こり、手背、前腕後面、肘頭、上腕後面を上り、肩に上って胆経と交わり、大鎖骨上窩に入り、胸中より広がり、心包を絡い、横隔膜を貫いて三焦に属する

    胸中より分かれる支脈は、上って大鎖骨上窩に出て、項部から耳の後部、上部を経て側頭窩を過ぎ、目の下方に至る
    耳の下で分かれた支脈は耳の後から中に入り前に出て、外眼角に至り、足の少陽胆経につながる
  11. 足の少陽胆経
    手の少陽三焦経の脈気を受けて外眼角に起こり、額角、耳の後、頸をめぐり、三焦経に交わり、大鎖骨上窩に入る
    耳の後より分かれた支脈は、耳の中に入り、前に出て外眼角に至る
    外眼角よりわかれた支脈は【大迎】へ下り三焦経に合し、目の下から頸を下り大鎖骨上窩で合流して、胸中に至り、横隔膜を貫き、肝を絡い、胆に属する
    さらに、側腹部をめぐり鼠径部に出て、陰毛をめぐる
    また支脈は、大鎖骨上窩より腋窩に下り、季肋部を下る支脈と、股関節で合流する
    そこから大腿外側、膝外側、腓骨の前を下って腓骨下端に至り、外果の前【丘墟】に出て、足背をめぐり、足の第4指外側端に終わる
    足背で分かれた支脈は、足の第1指端に至り、足の厥陰肝経につながる
  12. 足の厥陰肝経
    足の少陽胆経の脈気を受けて足の第1指外側端に起こり、足背、内果の前、下腿前内側を上り、脾軽と交わり、膝窩内側、大腿内側に沿って、陰毛の中に入り、生殖器をめぐって下腹に至り、側腹部を経て、意をはさんで肝に属し、胆を絡う
    横隔膜を貫き季肋に広がり、食道・気管、喉頭、目系につらなり、額に出て頭頂部【百会】で督脈と交わる
    目系から分かれた支脈は、頬の裏に下り唇の内側をめぐる
    肝から分かれた支脈は、横隔膜を貫いて肺を通って、中焦に至り、手の太陰肺経とつながる

奇経八脈

正経と正経との間を繋ぎ、正経から溢れだした気血が通る補助的な通路です。

陰陽で分類すると以下の通りとなります。

陰経・・・任脈 衝脈 陰蹻脈 陰維脈

陽経・・・督脈 帯脈 陽蹻脈 陽維脈

  1. 任脈・・・陰経脈を調節する(陰脈の海) 
  2. 督脈・・・手足の三陽経と交会し、陽気を統率する(陽脈の海)
  3. 衝脈・・・十二正経の気血を調節する(十二正経の海)、また血を多く含んでいる(血海)
  4. 帯脈・・・腹部を帯のように一周する
  5. 陰蹻脈・・・腎経の別脈
  6. 陽蹻脈・・・膀胱経の別脈
  7. 陰維脈・・・全身の裏と密接に関係
  8. 陽維脈・・・全身の表と密接に関係

臓腑との関係 

臓腑が病むと特定の器官に症状が出やるくなります。それには流注などが大きく関与します。

それぞれの経脈に関係の深い期間は以下の通りです。

  • 手の太陰肺経・・・胃、気管、喉頭
  • 手の陽明大腸経・・・下歯 
  • 足の陽明胃経・・・上歯  唇 気管 喉頭
  • 足の太陰脾経・・・心 咽頭 舌
  • 手の少陰心経・・・肺 食道 咽頭 目
  • 手の太陽小腸経・・・胃 咽頭 耳
  • 足の太陽膀胱経・・・脳 各臓腑の背部兪穴
  • 足の少陰腎経・・・肝 心 肺 気管 喉頭 舌根
  • 手の厥陰心包経・・・特になし
  • 手の少陽三焦経・・・耳 
  • 足の少陽胆経・・・耳 
  • 足の厥陰肝経・・・外生殖器 胃 肺 気管 咽頭 唇 頬の内面 目

経穴

経穴とは十四経脈上にあるツボのことで、全部で.361穴あります。これは、WHOが東洋医学の世界への普及を図り、世界標準を定めようとして決められたものです。

361穴の経穴以外にも奇穴・阿是穴といったツボもあります。

奇穴・・・十四経脈に属さない穴

阿是穴・・・圧痛点や反応点として出現する穴で、治療にも用いられる

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